老人ホームでの医療と看護 ―あまり知られていない? 皮下点滴(お腹の皮下に点滴する手法)―

多くの施設看護師が抱く不安は『高齢者施設での医療』です。私もその中の一人でした。

施設でも点滴のオーダーはあります。しかし、だれしも痛くないはずないし、じっとしていることは私だって苦痛です。

高齢者になるとちょっとした動きで漏れたり、体調が影響し拒否されたりとなかなか難しくもなります。

 

そこで、10年前の病院勤務時代、訪問看護師研修を終えた同僚から在宅医療の一つに皮下点滴という方法について教えてもらったことを思い出しました。

点滴は通常手足の血管に針を刺して行いますが、皮下点滴は主にお腹に針を刺して行います。効果や適応について改めて文献を読みますと、急性期ではない限り高齢者には優しい医療なのだとわかりました。まさに『目からうろこ!!』🐡

 

皮下点滴は皮下組織に針を刺し行うもので、仮に針が抜けても服が血まみれになったり点滴部分の内出血も起こしません。手足が自由に動かせ、イスでもベッドでも姿勢は自由。そして何より痛みが少なくゆっくり吸収していくので高齢者の循環にやさしい点滴方法と言われています。

 

老人ホームでよくある病気の一つに下痢や嘔吐・水分不足などに関連した脱水症状があります。こんな時こそ皮下点滴を利用して看護していきます。当事業所の嘱託医のドクターは、我々ナースの意見に向き合い協力して頂けているのでとても感謝しています。

 

 

実際は演習用の人形をモデルにしてみました。ナースの皆様のご参考になれば幸いです。

老人ホームで働くのって大変じゃない? とよく聞かれますが、エビデンスに基づく看護はどこで働いても必要。意外と発見や学びがあって楽しい居場所です。ご質問は気軽に連絡下さい。☺☺